SNS、YouTube、ショート動画にオンラインゲームは1つ終わっても、次々と自分の興味のあるコンテンツが出てきて、どんなに見ても終わりがありません。
どんな人にもハマっていることってあると思います。スポーツ・観戦・読書・ハンドメイド・推し活などなどハマっている、楽しいことがあるのは良いことです。しかし、SNSや動画視聴などにハマることは成長期のこども達にとって、楽しいだけで終わらず有害な面があります。
今回は、スマホ所持の低年齢化が進んでいる今、私たちが知っておくべきことをまとめていきます。
SNS・ゲーム・動画視聴が注意力を奪うメカニズム
子どもたちのスマホ依存が深刻化し、集中力の低下や学業成績の悪化が懸念されています。総務省の調査では2023年時点で中高生の約4人に1人がインターネット依存傾向にあると報告されました。
スマートフォンのSNS、ゲーム、動画コンテンツは強力に人の注意を引きつけ、学習中の集中を妨げます。

私たち大人もスマホなしには生活が成り立ちません。自分はスマホ依存ではない、と考えていても仕事以外の時間でもスマホと距離を置くことは、大人も難しく感じる方が多いかもしれません。しかし親の背中を子どもは見ています。子どもにルールを守らせるなら、親自身もスマホとの付き合い方を意識することが大切になってきます。
依存度を上げるメカニズム

スマホは、SNSの通知やゲームの誘いなど、多くの誘惑を持っています。SNSやゲーム、動画視聴は、私たちの脳の報酬系を強く刺激するのです。
これらのコンテンツは、短時間で満足感や興奮を得られるように作られていて、脳内のドーパミン(快感をもたらす物質)の分泌を促します。これが「もっと見たい!もっとやりたい!」と感じる原因です。この習慣を繰り返すことで依存状態に陥りやすくなります。
特に、SNSの「いいね」やコメント、ゲームのレベルアップ、動画の再生回数などは、すぐに脳が報酬を得られる仕組みになっています。画面を開くだけで手軽に得られる満足感なので、何度も繰り返してしまうのです。
SNSの通知が注意力を奪う

派手な動画やゲームに長時間夢中になっていると、地道な学習(教科書を読む・問題を解くなど)に集中しづらくなることが分かっています。脳が強い刺激に慣れてしまうと、静かな環境では落ち着いて勉強するのが難しくなってしまいます。
文部科学省の調査によれば、平日にLINE、SNS等の通信アプリを使用すると、睡眠時間や家庭学習時間には関係なく、使用時間に応じて学力が低下する傾向が示されています。
- 東北大学の10年間の追跡調査で、スマホの使用時間が長いほど成績が低下することが確認された。
- 1日1時間を超えると成績が下がり始め、3時間を超えると勉強時間を増やしても成績が平均以下になる傾向がある。
- スマホ漬けの生活は学力低下と強く関連している。
スマホの通知は勉強中でも気になってしまうことが多いですよね。集中力も通知があるたびに切れてしまい、再度集中するまでにまた時間がかかります。
しかしながら、川島教授の調査によると、スマホを持つ子どもの約8割が家庭学習中についスマホやタブレットを触ってしまうと答えています。
スマホを使い「ながら勉強」の実態

「自分の部屋で勉強する」と言って子どもが部屋へ。しかし、実際はスマホを見ていてほとんど勉強していなかった。ということはありませんか?
実は多くの子どもが、勉強中にスマホやタブレットを使いながら「ながら勉強」をしていることが分かっています。具体的には、勉強しながら
- 音楽を流す(約60%)
- 動画視聴・チャットをする(各40%)
- ゲームをする(30%)
ですが、このような「ながら勉強」は学習効率を下げることが研究で示されています。スマホでSNSをチェックしながら勉強するなどの行為は、情報の処理能力を低下させ、学習内容の理解や記憶の定着を妨げる可能性があります。
短時間でも集中して勉強する方が、記憶の定着や理解度が高まるので、スマホとの付き合い方には気をつけたいですね。
最近はスマホを「デジタル麻薬」という表現まで登場。麻薬というのは強い表現ですが、それだけ強い依存性を持っているとも言えます。
- たとえ使っていなくても、スマホが手元やカバンの中にあるだけで気になり、認知能力が低下する。
- SNSの通知音やバイブレーションが「すぐ確認したい!」という衝動(ドーパミンの報酬系)を引き起こし、勉強中でも意識がスマホに向いてしまう。
- ⇒学習習慣や成績に悪影響を及ぼすリスクが高まる。
対策
- スマホを使う時間と勉強時間を明確に分ける(勉強中はスマホを別の部屋に置くなど、物理的な距離をとる。)
- 通知をオフにする、学習中はデジタルデトックスを実施する。
- SNSの利用時間を制限する
など、スマホを適切に管理することで子どもの集中力と学習効率を守ることできます。最後に、多くの家庭で実践されている具体的なルールや工夫をご紹介します!
家庭でできるスマホ利用ルールと集中力アップの工夫
子どものスマホ依存を防ぎ、集中して学習に取り組めるようにするためには、家庭でのルール作りと環境づくりが大切ですね。ある調査では、約8割の家庭でスマホの使用に関するルールを設けていることが分かっています。
1. スマホの使用時間・時間帯を制限する
スマホのルールで最も多いのが「使用時間の制限」です。例えば、
✅ 平日・休日問わず1日〇時間まで
✅ 夜9時(または10時)以降は使用禁止
具体例として、次のようなルールを取り入れている家庭もありますよ。
- 「夜10時~翌朝7時はスマホを使えないよう設定」
- 「ゲームは1日30分まで」
- 「テストの点が下がったら一定期間スマホ没収」
最近では、スマホ自体にペアレンタルコントロール機能が備わっているので、設定を活用するとルールを徹底しやすくなりますね。
2. スマホの使用場所を決める
勉強部屋や寝室にスマホを持ち込ませないようにするのも効果的です。多くの家庭では、
✅ 「スマホはリビングのみで使用し、自室には持ち込まない」
✅ 「寝る1時間前にリビングにスマホを預ける」
✅ 「夜は親がスマホを回収する」
このようなルールを設けることで、勉強時間の集中力アップや、睡眠の質を守ることにつながります。
3. 勉強中のスマホ管理を徹底する
スマホが近くにあるだけでも集中力が下がると言われています。そのため、勉強するときは手の届かない場所に置くようにしましょう。
「リビング学習のときは、スマホを別室の充電ステーションに置く」
「勉強中は机に置かず、引き出しの中にしまう」
実際に「勉強中にスマホを充電器に置くルールを作ったら、集中できるようになった!」という家庭もあるそうですよ。
4. アプリやコンテンツの利用ルールを決める
スマホ依存を防ぐためには、使用するアプリや機能を制限することも重要です。
✅ 「LINE以外のSNSや課金ゲームはインストールしない」
✅ 「YouTubeは週末のみ許可」
✅ 「友達とのやり取りは夜○時まで」
また、ネットの安全利用についても話し合っておくと安心ですね。例えば、
「個人情報はSNSに載せない」
「知らない人とネット上でやり取りしない」
大阪市の啓発資料でも、子どもの年齢に応じてルールを決め、守れなかった場合の対応まで話し合っておくことが推奨されています。
5. 親もスマホの使い方で手本を示す
子どもにルールを守らせるなら、親自身もスマホとの付き合い方を意識することが大切です。例えば、
食事中にスマホを見ない
寝る前はスマホではなく読書をする
親がスマホと上手に付き合う姿を見せることで、子どもも自然とスマホとの距離感を学べます。また、ルールは一方的に押し付けるのではなく、親子で話し合って納得のうえで決めることが大切です。その方が、子ども自身も「守ろう!」という意識を持ちやすくなりますね。
まとめ
家庭でスマホのルールを決め、環境を整えることは、子どもの集中力を守り、健全な学習習慣を育むうえでとても重要です!
特に、
✅ 「時間」「場所」「状況」「コンテンツ」の4つのポイント
を意識してルールを決めると、無理なく実践しやすくなりますよ。
そして何より、スマホ以外の時間を充実させることも大切です。 ルールを決めるだけでなく、子どもが楽しく過ごせるような運動や趣味の時間も大切にして、スマホと上手に付き合っていきましょう!