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子どもたちのメンタルはどう変化しているのか
デジタル社会となった今、便利になったことが数えきれない一方で、使っていく中でネガティブな一面もあります。それは目に見える化するまでに時間のかかる、人のメンタルの変化です。
デジタル教科書が子どもの脳発達に与える影響とは?~文部科学省の動き中学生以下へのデメリット~でも挙げましたが、今回は、急速なデジタル化の時代において、子どもたちが日々利用するSNSがどのようにメンタルヘルスに影響を与えているのかについて日本の子どもたちの現状と他の国々の子どもたちはどうしてるのか、を見ていきましょう。
子どもたちがネット上でどんな体験をしているのか、またその背景にある原因や、私たち大人がどのようにサポートできるかを、具体的なデータや事例を交えてご紹介します。
SNS利用の現状と子どものメンタルヘルスの関係

SNS利用の普及と現代の子どもたち
昨今、スマートフォンやタブレットが手軽に手に入るようになったことで、子どもたちは幼い頃からSNSに親しむようになりました。Instagram、TikTok、LINE、Twitterなど、さまざまなSNSが日常生活の一部となり、友達とのコミュニケーションや情報収集、自己表現の手段として欠かせない存在です。
スマホ依存、SNS依存症という言葉もあるように、実際、ある調査によると、10代のSNS利用率は90%以上に達しており、そのうち約70%が毎日1時間以上利用しているというデータもあります。
メンタルヘルスへの影響とは?
SNSの利用は、楽しい情報交換や自己表現の場を提供する一方で、子どもたちのメンタルヘルスに悪影響を与える可能性も指摘されています。特に以下の点が問題視されています。
- 過度な自己比較と低い自己肯定感
SNS上で他人の成功や理想化された生活を見ることにより、子どもたちは自分の価値を低く感じやすくなります。たとえば、Instagramでは加工された写真やフィルターがかかった画像が溢れており、現実とのギャップからストレスを感じることが増えています。 - サイバーいじめやネガティブなコメント
匿名性があるため、いじめや誹謗中傷が拡散しやすい環境となっています。実際に、SNS上での嫌がらせが原因で精神的に追い込まれるケースも後を絶ちません。 - ネット依存とスクリーンタイムの増加
スクリーンタイムというのは、スマホやネット画面を見ている時間の長さです。

皆さんは1日何時間ネットを使用しているでしょうか?ちょっと時間を見るだけのつもりだったのに、SNSやネットを見たりと、恐らく私たちは知らず知らずのうちに細かい時間が積もり、長時間ネットへアクセスしています。スマホやタブレットでスクリーンタイムを確認できます。
iPhone:設定→スクリーンタイム→すべてのアプリとWebサイのアクティビティを確認する
Android:設定→Digital Wellbeing と保護者による使用制限
仕事を除いた時間でも、思ったより多かった、という方も多いのではないでしょうか。ネット依存は心身ともに成長期である子どもたちにとっては、特に睡眠不足や運動不足といった身体面での悪影響も及ぼし、結果として精神状態にも影響を与える可能性が示唆されています。
具体的な事例と統計データで見る影響
国内外の調査結果から見る実態
オーストラリアや欧米では、未成年者のSNS利用とメンタルヘルスの関連について、厳しい調査が行われています。たとえば、アメリカのある公衆衛生局の調査では、1日に3時間以上SNSを利用する子どもは、精神的なストレスやうつ病のリスクが倍増するという結果が出ています。日本でも、東京都内のある公立学校で行われた調査では、SNS利用時間が長い子どもほど不安感や自己評価の低下が顕著であるとのデータが示されました。
具体的なエピソードと事例
実際の現場では、SNS上の「いいね!」の数に一喜一憂するあまり、学校生活や家庭でのコミュニケーションに支障が出ているという話をよく耳にします。たとえば、ある中学生は、SNSでの反応が思わしくない日には学校に行くのが億劫になり、休みがちになってしまったというケースも報告されています。また、SNSで理想とされるライフスタイルに憧れ、自分の現実とのギャップに苦しむ子どもたちも増加していると言われています。
ネット依存とその悪影響
さらに、ネット依存が子どもたちのメンタルヘルスに及ぼす影響は深刻です。長時間のスマホ利用により、睡眠時間が不足し、結果として学業や集中力の低下が見られるほか、情緒不安定やイライラ感が強まる傾向があります。ある専門家は「現代の子どもたちは、ネットに触れる時間が長い分、リアルな人間関係でのコミュニケーション能力が低下し、孤独感を感じやすくなっている」と指摘しています。
家庭や学校、そして企業ができる対策
保護者としてできること
子どものSNS利用が心身に与える影響を最小限に抑えるために、保護者ができる対策はいくつかあります。まだ自分のスマホを持たせていない、というお子さまがいるご家庭ではこれから対策を立てていくことができるかと思いますが、既に友人とのコミュニケーションツールとして活用しているお子さまの場合、やはり親子間のコミュニケーション、日々の会話が大事になってきます。
- 利用時間のルール作り
家族で話し合い、1日のSNS利用時間を決めることで、過度な使用を防ぐことができます。その際、SNS利用が長時間にわたる場合のリスクを子どもとネットで調べて一緒に見てみることは情報を共有するのにとても有効です。 - オープンなコミュニケーション
子どもがSNSでどんな体験をしているのか、日常会話の中で積極的に聞くことで、悩みや不安を早期にキャッチできます。 - 代替となる活動の促進
スポーツや読書、外遊びなど、SNS以外の楽しみを見つけることで、バランスの取れた生活習慣を形成する手助けとなります。
学校現場での取り組み
今は小学校から、デジタルリテラシー教育が始まっていますが、今後ますます重要になっています。具体的には、以下のような対策が有効です。
- SNS利用のリスク教育
授業の中で、SNSのメリットだけでなく、リスクや悪影響についても学ぶ機会を設けることが求められます。 - カウンセリング体制の強化
心の健康に関する相談窓口を充実させ、悩む生徒への早期介入を図ることが大切です。 - 保護者との連携
学校と保護者が連携して、家庭でのSNS利用の状況を共有し、適切なサポート体制を築く取り組みが進められています。
SNS企業への求められる責任と対策
SNSプラットフォーム側にも、未成年者の利用に対する倫理的な責任が強く求められています。
- SNS利用のリスク教育
授業の中で、SNSのメリットだけでなく、リスクや悪影響についても学ぶ機会を設けることが求められます。 - カウンセリング体制の強化
心の健康に関する相談窓口を充実させ、悩む生徒への早期介入を図ることが大切です。 - 保護者との連携
学校と保護者が連携して、家庭でのSNS利用の状況を共有し、適切なサポート体制を築く取り組みが進められています。
今後の展望と親・学校・企業が共に取り組むべき未来
子どもの未来を守るために
現代社会において、SNSはもはや避けて通れない存在です。しかし、その影響をネガティブなものに限定せず、適切な利用方法を模索することで、子どもたちの未来をより豊かにする可能性も秘めています。たとえば、SNSを通じた情報共有やクリエイティブな活動が、自己表現や新たな才能の発掘に繋がるケースも多くあります。
全体で支える仕組みづくり
子どものメンタルヘルスを守るためには、家庭、学校、企業、そして政府が一体となって取り組む必要があります。
- 家庭でのサポート
親が子どものSNS利用状況を把握し、適切なアドバイスを行うことが、心の健康維持に直結します。 - 学校での教育と支援
デジタルリテラシーや情報モラルを教育することで、子どもたちが安全にSNSを利用できる基盤を築くことができます。 - 企業と政府の連携
SNS企業は倫理的な運用を行い、政府は適切なガイドラインや規制を整備することで、社会全体として子どもたちの健全な成長を支援する仕組みが求められます。
まとめ
子どもたちのSNS利用は、楽しいコミュニケーションや情報共有の場を提供する一方で、過度な利用や不適切なコンテンツの影響により、メンタルヘルスに悪影響を及ぼすリスクも内包しています。
大切なのは、単に利用時間を制限するだけでなく、質の高い情報環境の中で、子どもたちが安心して自己表現し、成長できる環境を整えることです。
また、親や教育現場でのサポート、SNS企業の責任ある運用、さらには政府によるガイドライン整備が、相互に連携して初めて実現できる課題であると言えるでしょう。
私も親として、この問題は子どもと向かい合っている最中ですので、また皆さんと情報を共有していきたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。