このページにはアフィリエイト広告またはアフィリエイトリンクが含まれます
健康で過ごしていくために
前回は認知症ケア:未来の介護を支える先進テクノロジーの挑戦について書きました。
今回は、健康寿命を延ばすカギについて見ていきたいと思います。健康寿命とは、介護が必要な状態になることなく、自分の力で日常生活を送れる期間のことです。
超高齢化社会となった現代において、健康寿命を延ばすことは、本人だけでなく家族や社会全体にとっても大変重要なテーマとなっています。特に、フレイルと呼ばれる虚弱状態に陥る前に、適切な対策を講じることが、要介護状態に進むのを防ぐための鍵となります。
どんなに長生きしても、寝たきりだったり体調が悪い日々だったら、やりたいこともできません。
フレイル予防は早いうちから自身で気づき対策を始める方がより予防効果がある、できれば50代から食事や運動などの対策に気を使い始めるのが望ましいとも言われています。自分のフレイル度をチェックは簡単にできるので、チェックリストも見てみてください。
この記事では、フレイルとは何か、そしてその対策としてどのような方法があるのか、詳しくご紹介します。

フレイルとは?
フレイルは、加齢に伴って筋力や認知機能、さらには社会性が低下し、健康な状態から要介護状態へ移行する前段階の虚弱な状態を指します。
具体的には、以下のような症状が見られます。
- 筋力低下(サルコペニア):筋肉量の減少により、歩行速度が落ち、転倒しやすくなる。
- 認知機能の低下:物忘れや判断力の低下、集中力の散漫が現れる。
- 社会的孤立:人との交流が減少し、精神面でも影響が出る。
これらの症状が進行すると、最終的に介護が必要な状態へと移行してしまいます。しかし、フレイルは予防・改善可能な状態であるため、早期に対策を行うことが非常に重要です。
漢方のツムラにはフレイルに関するチェックリストや対策HPがあります。

フレイル予防のための対策
フレイルから要介護に進まないための対策は、主に「栄養」、「運動」、そして「社会参加」の3つの柱に分けられます。それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。
1. 栄養管理:バランスの取れた食事で体を支える
たんぱく質の摂取
筋肉量の維持には、十分なたんぱく質が必要です。体重1kgあたり1gのたんぱく質を目安に、肉、魚、卵、豆類、乳製品などをバランスよく摂ることが推奨されます。低栄養状態は、筋力低下を招きやすく、フレイルを加速させるリスクがあるため、特に注意が必要です。
ビタミン・ミネラルの補給
野菜や果物を積極的に摂取することで、免疫力や代謝機能をサポートし、全体的な健康状態を保つことができます。ビタミンDやカルシウムは骨や筋肉の健康にも寄与します。
適切な水分摂取
体内の水分バランスを整えることも重要です。適度な水分摂取は、体の代謝を促進し、細胞の活動を支えます。
2. 運動療法:定期的な運動で筋力を維持・向上
有酸素運動
ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなど、心肺機能を強化する有酸素運動は、フレイル予防に有効です。特に、1日あたり5,000歩以上の歩行を習慣化することで、転倒リスクの低減や血流改善につながります。
筋力トレーニング
筋肉を鍛える運動は、サルコペニアの進行を遅らせるために欠かせません。スクワット、腕立て伏せ、ダンベル運動など、無理のない範囲で筋力トレーニングを取り入れることが推奨されます。特に、高齢者向けには、座った状態や壁を利用したトレーニングが安全です。
柔軟性とバランスの向上
ストレッチやヨガ、ラジオ体操などの柔軟性向上やバランスを意識した運動は、転倒防止に役立ちます。日常生活での動作がスムーズに行えるよう、関節や筋肉の柔軟性を保つことが大切です。
3. 社会参加:孤立を防ぎ、心身の健康を保つ
地域活動への参加
地域のサークル、趣味の会、ボランティア活動など、社会との接点を持つことで、心の健康が保たれます。人との交流は、認知機能の低下を防ぐとともに、情緒の安定にも寄与します。
コミュニティでの交流
定期的な交流会や健康教室に参加することで、孤立感を防ぎ、意欲を高めることができます。これにより、生活の中での刺激が増え、日常の活動が活発になることが期待されます。
趣味や学びの場を活用
新しいことに挑戦することで、脳を活性化させることができます。趣味の教室や、地域の講座に参加することで、心の健康と認知機能の維持にもつながります。

フレイル予防がもたらすメリット
フレイル予防に取り組むことで、以下のようなメリットが期待できます。
- 要介護状態への進行を防ぐ
早期に対策を講じることで、介護が必要な状態への移行を防ぎ、独立した生活を長く続けることが可能になります。 - 生活の質(QOL)の向上
健康な体と心を維持することで、趣味や仕事、地域活動など、充実した生活を送ることができます。 - 医療費や介護費用の削減
フレイルの進行を防ぐことで、医療や介護にかかる費用を大幅に削減でき、個人や社会全体の経済的負担が軽減されます。 - 自立支援と社会参加の促進
運動や栄養、交流を通じて自立した生活が送れるようになり、地域社会全体の活力向上にも寄与します。
実際に取り組むための具体的なステップ
フレイル予防に取り組むためには、まず自分自身の現状を把握することが大切です。以下のチェックリストを使って、現状を確認しましょう。
フレイルチェックリスト
- 体重減少:過去6か月で2~3kg以上の減少があるか。
- 筋力低下:握力の低下や、立ち上がる際の困難さがないか。ペットボトルが開けられるか。
- 歩行速度:普段の歩行速度が低下していないか。横断歩道を信号が変わる前に渡れるか。
- 疲労感:日常的に疲れやすくなっていないか。
- 社会参加:外出や友人との交流が減っていないか。
3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。
これらの項目で気になる点がある場合、早めに対策を始めることが望まれます。もし自分の状態に不安がある場合は、病院で相談してみることがおすすめです。65歳以上の高齢者と高齢者に関わる人なら誰でも利用できる、自治体設置の「地域包括支援センター(※)」もあります。
まとめ
健康寿命を延ばすためには、フレイルから要介護状態に至らないように、栄養管理、運動療法、社会参加という3本の柱でしっかりと予防対策を行うことが重要です。
- 栄養管理:十分なタンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよく摂取し、低栄養状態を防ぐ。
- 運動療法:ウォーキングや筋力トレーニングで筋力を維持し、転倒リスクを下げる。
- 社会参加:地域活動や趣味、交流を通じて心の健康を保ち、孤立を防ぐ。
これらの対策を日常生活に取り入れることで、要介護状態に進むリスクを大幅に低減し、いつまでも自立した生活を維持することができます。自分自身の健康チェックを行い、必要に応じて専門家と相談しながら、生活習慣を見直してみましょう。
健康で充実した人生を送るために、フレイル予防は今すぐ始められる最も効果的な方法です。皆さんも今日から、少しずつでも生活に変化を取り入れる一歩になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
